賃貸マンションやアパートにお住まいの場合、蛇口の水漏れなどのトラブルが発生した際に、自分で止水栓を操作しても良いものか、迷うことがあるかもしれません。基本的には、緊急時の応急処置として止水栓を閉めることは問題ありませんが、賃貸住宅ならではの注意点もいくつかあります。まず、水漏れを発見し、止水栓を閉めて応急処置を行った後は、速やかに大家さんや管理会社に連絡することが重要です。修理の手配は、原則として大家さんや管理会社が行います。自分で勝手に業者を手配したり、修理を試みたりすると、後々トラブルになる可能性があるため避けましょう。特に、止水栓の操作に不安がある場合や、止水栓自体から水漏れしているような場合は、無理に触らず、すぐに連絡して指示を仰ぐのが賢明です。次に、止水栓を操作する際には、細心の注意が必要です。賃貸物件の場合、設備が古いことも少なくありません。古い止水栓は固着していたり、劣化していたりする可能性があり、無理に力を加えると破損させてしまうリスクがあります。もし止水栓を破損させてしまった場合、修理費用を請求される可能性もゼロではありません。ハンドルやドライバーで軽く回してみて、固いと感じたら、それ以上無理に操作するのは避け、専門家の判断を待ちましょう。また、まれに隣の部屋と配管が一部繋がっているような古い建物の場合、自分の部屋の止水栓を閉めたつもりが、隣の部屋の水の供給に影響を与えてしまう可能性も全くないとは言い切れません。通常はそのようなことはありませんが、もし止水栓を閉めた後に何か不具合があれば、その旨も管理会社に伝える必要があります。さらに、蛇口の交換など、修理以外の目的で止水栓を操作したい場合（例えば、自分で浄水器を取り付けるなど）は、必ず事前に大家さんや管理会社に許可を得るようにしましょう。無断で設備に変更を加えることは、賃貸契約違反となる場合があります。賃貸住宅での止水栓操作は、あくまで緊急時の応急処置という認識を持ち、操作後は速やかに管理会社等へ連絡し、指示に従うという姿勢がトラブルを避けるための心得と言えるでしょう。