戸建て住宅にお住まいの場合、家全体の水の流れをコントロールする「水道の元栓」は、ほぼ例外なく、建物の「屋外」の地面に設置されています。緊急時に慌てないためにも、平穏な日常のうちに、一度、その正確な場所を確認しておくことを、強くお勧めします。では、具体的にどこを探せば良いのでしょうか。戸建て住宅の元栓探しのキーワードは、「水道メーターボックス」です。水道メーターと元栓(止水栓)は、通常、一つのボックスの中に、セットで収められています。あなたが探すべきは、敷地内の地面に埋められた、長方形または円形の、プラスチック製あるいは金属製の蓋です。蓋の色は、青や黒が一般的ですが、鉄製の錆びた蓋の場合もあります。そして、その蓋の表面には、自治体のマークと共に、「量水器」や「止水栓」「メーター」といった、その正体を示す文字が、必ず刻印されています。このボックスが設置されている場所は、多くの場合、いくつかのパターンに絞られます。最も可能性が高いのが、「公道と、あなたの敷地との境界線の近く」です。水道管は、公道の下を通る本管から、各家庭へと引き込まれているため、その分岐点に近い、道路側の敷地内に設置されるのが基本です。具体的には、「玄関アプローチの脇」や、「駐車スペースの隅」、「門扉の近く」といった場所を、注意深く探してみてください。また、検針員が確認しやすいように、比較的開けた場所に設置されていることが多いです。それらしき蓋を見つけたら、マイナスドライバーや、あるいは鍵の先端などを、蓋のくぼみに引っ掛けて、てこの原理で開けてみましょう。中を覗き込むと、円盤状のパイロットがくるくると回る「水道メーター」と、その隣に、ハンドル式、あるいはバルブ式の「止水栓」があるはずです。この止水栓こそが、あなたの家の水の流れを司る、水道の元栓です。場所がどうしても分からない場合は、水道料金の検針票(水道ご使用量のお知らせ)に、メーターの位置が記載されていることもあります。一度場所を確認しておけば、いざという時に、冷静かつ迅速に対応することができるでしょう。