冷凍食品を解凍する際、手っ取り早い方法として流水解凍を選ぶ方は多いでしょう。しかし、気になるのが水道代。今回は、流水解凍の水道代を節約しつつ、上手に解凍するためのテクニックを、プロの視点から詳しく解説します。まず、流水解凍にかかる水道代について考えてみましょう。一般的に、水道料金は1リットルあたり約0.24円と言われています(東京都水道局の場合)。仮に、1分間に10リットルの水を流しっぱなしで解凍した場合、10分間の流水解凍で約24円の水道代がかかる計算になります。これを高いと見るか、安いと見るかは人それぞれですが、毎日流水解凍を行うと、1ヶ月で約720円、年間で約8,640円もの水道代がかかることになります。節約を意識するなら、無視できない金額です。そこで、水道代を節約するための、賢い流水解凍術をご紹介します。まず、最も基本的な方法は、水を出しっぱなしにしないことです。ボウルやシンクに水を溜め、その中に冷凍食品を浸けて解凍する方法(ため水解凍)を試してみましょう。水の温度が上がってきたら、水を入れ替えることで、解凍時間を短縮できます。また、冷凍食品を直接水に触れさせないことも重要です。食品をジッパー付きの保存袋などに入れ、密封してから水に浸けましょう。こうすることで、食品の旨味や栄養が水に溶け出すのを防ぎ、品質を保つことができます。さらに、解凍する食品の大きさに合わせて、容器のサイズを選ぶことも大切です。大きな容器に少量の食品を入れて解凍すると、無駄な水を使うことになります。食品がぴったりと収まるサイズの容器を選びましょう。解凍時間を短縮するためには、水の温度を調整することも効果的です。冷たい水よりも、少しぬるめの水(20℃程度)を使う方が、解凍時間は短くなります。ただし、温度が高すぎると、食品の表面だけが解凍され、中心部は凍ったままになってしまう「表面解凍」が起こりやすくなるため、注意が必要です。これらのテクニックを組み合わせることで、流水解凍の水道代を大幅に節約することができます。また、流水解凍以外の解凍方法(冷蔵庫解凍、電子レンジ解凍、氷水解凍など)も、状況に合わせて使い分けることで、さらに節約効果を高めることができます。