真空式パイプクリーナーは、多くの排水管詰まりに効果を発揮しますが、万能ではありません。中には、真空式パイプクリーナーでは解消できない詰まりも存在します。今回は、そのような詰まりの原因と、その対処法について解説します。まず、真空式パイプクリーナーで直らない詰まりの原因として、最も多いのが「固形物の落下」です。例えば、子供のおもちゃ、アクセサリー、スマートフォン、洗剤のキャップなどが排水管に落ちてしまうと、真空式パイプクリーナーでは取り除くことができません。このような場合は、まず、排水口から見える範囲に固形物がないか確認しましょう。もし、見える範囲にあれば、トングや針金などを使って取り除くことができるかもしれません。しかし、無理に取り出そうとすると、固形物をさらに奥に押し込んでしまう可能性があるので、注意が必要です。排水口から見えない場所に固形物が落ちてしまった場合は、専門業者に依頼することをおすすめします。専門業者は、内視鏡カメラなどを使って排水管の内部を調査し、適切な方法で固形物を取り除いてくれます。次に、真空式パイプクリーナーで直らない詰まりの原因として、「排水管の構造上の問題」が挙げられます。例えば、排水管の勾配が緩やかであったり、排水管が曲がりくねっていたりすると、詰まりが発生しやすくなります。また、長年の使用によって排水管の内側に汚れが蓄積し、排水管が狭くなっている場合も、真空式パイプクリーナーでは効果がないことがあります。このような場合は、排水管の高圧洗浄や、排水管の交換が必要になることがあります。これらの作業は、専門的な知識や技術が必要となるため、専門業者に依頼することをおすすめします。さらに、「油汚れの蓄積」も、真空式パイプクリーナーでは解消しにくい詰まりの原因です。特に、キッチンの排水管は、油汚れが蓄積しやすく、注意が必要です。油汚れは、冷えると固まり、排水管の内側にこびりついてしまいます。このような場合は、まず、熱湯を排水口に流し込んでみましょう。熱湯によって油汚れが溶け、流れやすくなることがあります。また、重曹とクエン酸を併用するのも効果的です。重曹とクエン酸を排水口に入れ、熱湯を注ぐと、発泡作用によって油汚れを剥がし落とすことができます。これらの方法を試しても詰まりが解消されない場合は、専門業者に依頼しましょう。