シンク下の排水トラップには、主に「ワントラップ」「Sトラップ」「Pトラップ」などの種類があります。ワントラップは、お椀を逆さにしたような部品(ワン)で封水(臭いを防ぐための溜め水)を作るタイプで、比較的構造が単純です。SトラップやPトラップは、配管自体をS字やP字に曲げることで封水を作るタイプです。どのタイプであっても、水漏れが発生しやすいのは、各部品の「接続部分」です。具体的には、シンクの排水口とトラップ本体を繋ぐ部分、トラップ本体の各パーツ(ワン、筒、配管など)の接続部分、そしてトラップの出口と排水ホース(または床下の排水管)を繋ぐ部分です。これらの接続は、多くの場合、袋ナットと呼ばれる大きなナットで締め付けられており、内部には水漏れを防ぐためのゴムパッキンが入っています。水漏れの最も一般的な原因は、この「ナットの緩み」または「パッキンの劣化」です。ナットが緩んでいる場合は、手やレンチ(モンキーレンチやウォーターポンププライヤーなど)で締め直すことで水漏れが止まることがあります。ただし、締めすぎると部品が破損する可能性があるので注意が必要です。特にプラスチック製の部品は力を加減する必要があります。ナットを締め直しても水漏れが止まらない場合は、内部のパッキンが劣化(硬化、ひび割れ、変形)している可能性が高いです。この場合は、ナットを完全に緩めて接続部を分解し、古いパッキンを取り出して、同じ形状・サイズの新しいパッキンに交換する必要があります。パッキンには様々なサイズや形状(平パッキン、三角パッキン、Oリングなど)があり、適合するものを選ばないと水漏れの原因になります。古いパッキンをホームセンターなどに持参して、同じものを探すのが確実です。交換する際は、パッキンの向き(裏表がある場合も)や、装着位置を間違えないように注意が必要です。また、分解した際に、接続部分のネジ山や部品自体に破損がないかも確認しましょう。トラップ本体や排水ホースにひび割れや穴が開いている場合は、部品自体の交換が必要になります。DIYで修理を行う際は、必ず作業前にシンク下にタオルやバケツを置き、万が一の水漏れに備えましょう。また、作業後は必ず水を流して、漏れがないことを十分に確認してください。