「水道の元栓」は、私たちの生活を支える、まさにライフラインの心臓部です。その流れを止めるという行為は、日常生活に大きな影響を与えるため、どのような時に、閉めるべきなのかを、正しく知っておくことが重要です。ここでは、水道の元栓を閉めるべき、代表的な三つのシチュエーションについて解説します。第一に、最も緊急性が高く、そして元栓の知識が最も役立つのが、「水漏れトラブル」が発生した時です。例えば、蛇口が壊れて水が止まらなくなってしまった、あるいは、壁の中や床下で水道管が破裂し、水が噴き出してきている、といった、深刻な水漏れが発生した場合。このような緊急事態では、被害の拡大を最小限に食い止めるために、一刻も早く、家全体の水の供給を、元栓で断つ必要があります。元栓さえ閉めてしまえば、とりあえず水の供給は止まるため、落ち着いて、水道修理業者に連絡を取る時間的な余裕が生まれます。第二のシチュエーションは、「長期間、家を留守にする」時です。年末年始の帰省や、夏休みの海外旅行、あるいは長期の出張などで、数日以上にわたって家を空ける場合は、出発前に元栓を閉めておくことを、強くお勧めします。もし、留守の間に、老朽化した水道管や、給湯器、あるいは洗濯機のホースなどが、何らかの原因で破損し、水漏れが発生した場合、帰宅した時には、家の中が水浸しになっている、という最悪の事態になりかねません。下の階の住人にまで被害が及べば、高額な損害賠償問題に発展する可能性もあります。元栓を閉めておきさえすれば、このような不測の事態を、百パーセント防ぐことができます。ただし、冬場に長期間留守にする場合は、元栓を閉めるだけでなく、配管の「水抜き」も行わないと、凍結による破裂の危険性があるため、注意が必要です。第三に、「水道メーターの交換工事」や、「水道管の修理」といった、専門業者による作業が行われる際にも、一時的に元栓が閉められます。これらの場合は、事前に業者から、断水の日時について、必ず通知があります。水道の元栓を正しく操作できることは、緊急時のパニックを防ぎ、あなたの財産と、安心な暮らしを守るための、重要なスキルなのです。
水道の元栓を閉めるべき時とは?