マンションやアパートといった集合住宅にお住まいの場合、水道の元栓の場所は、戸建て住宅とは異なり、いくつかのパターンが存在します。しかし、ほとんどの比較的新しい建物では、各住戸ごとに、独立した元栓が、非常に分かりやすい場所に設置されています。集合住宅における元栓探しの、最も基本的なセオリーは「玄関ドアの周りを探す」ことです。まず、あなたの部屋の玄関ドアの、すぐ横の壁を確認してください。そこには、通常、電気やガスのメーターが収められている、金属製の扉が付いた「メーターボックス」あるいは「パイプシャフト(PS)」と呼ばれるスペースがあるはずです。この扉は、鍵がかかっていないことがほとんどで、手で簡単に開けることができます。この扉を開けると、ガスメーターや水道メーターと並んで、ハンドルやバルブが付いた、あなたの部屋専用の「水道の元栓(止水栓)」が設置されています。これが、最も一般的で、最も多いパターンです。多くの場合、元栓のバルブには、「給水管」や「止水栓」といったラベルが貼られており、一目で分かるようになっています。もし、玄関の横にメーターボックスが見当たらない場合は、次に、廊下を挟んで玄関の向かい側や、同じフロアの共用廊下のどこかに、複数の部屋のメーターがまとめて収められている、少し大きめのパイプシャフトがないかを確認してみてください。しかし、古いタイプのアパートや、一部の特殊な構造のマンションでは、各部屋に元栓が設置されていないケースも存在します。その場合は、建物の「一階部分の共用廊下」や、「屋外の地面」に、全戸分の水道メーターと元栓が、まとめて設置されている可能性があります。戸建て住宅と同様に、「量水器」と書かれた蓋を探してみてください。どのパターンに該当するか分からない、あるいは、メーターボックスの扉に鍵がかかっていて開けられない、といった場合は、無理に自分で探そうとせず、すぐに建物の「管理会社」や「大家さん」に連絡し、元栓の正確な場所と、開け方を確認するのが、最も確実で安全な方法です。