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突然お湯が出ない水は出るしガスもつく理由を探る
お湯だけが突然出なくなるトラブルは、日常生活において非常に困る事態です。特に、水は普通に出るし、ガスコンロも使えるとなると、原因が給湯器にある可能性が高まります。このような状況で考えられる原因と、その切り分け方について整理してみましょう。まず、給湯器が動くためには「水」「ガス」「電気」の三つが正常に供給され、給湯器本体が機能する必要があります。「水は出る」ということから、断水や家全体の元栓の閉め忘れといった水道供給の問題は考えにくいでしょう。「ガスはつく」ということから、ガスの元栓が閉まっている、プロパンガスの場合はガス切れといった可能性も低いと考えられます。ただし、ガスメーターの安全装置(マイコンメーター)が作動して、給湯器へのガス供給だけが遮断されている可能性は残ります。地震の後や、他のガス機器を長時間使用した後などは、メーターのランプが点滅していないか確認し、必要であれば復帰操作を試みましょう。次に確認すべきは「電気」です。給湯器本体の電源プラグがコンセントにしっかり差し込まれているか、ブレーカーが落ちていないかを確認します。意外な見落としポイントとして、給湯器のリモコンの電源があります。リモコンの電源が入っていなかったり、電池式のリモコンの場合は電池が切れていたりすると、お湯が出ません。リモコンにエラーコードが表示されていないかも重要なチェックポイントです。エラーコードが表示されている場合は、取扱説明書でその内容を確認し、対処法を試みてください。冬場であれば「凍結」も大きな原因となります。給湯器に接続されている給水管や、場合によっては給湯器内部が凍結すると、安全装置が働いてお湯が出なくなります。特に、給湯器の設置場所が北向きや風当たりの強い場所にある場合は注意が必要です。配管に保温材が巻かれているかなども確認しましょう。これらの外部要因に問題がない場合、いよいよ「給湯器本体の故障」が疑われます。点火装置の不具合、センサー類の異常、電装基板の故障、モーターやファンの故障、水流センサーの異常など、内部の部品が原因となっている可能性があります。ここまで確認しても原因が特定できない、あるいは対処法を試しても改善しない場合は、給湯器本体の故障の可能性が高いと考えられます。
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トイレタンクの仕組みを知って水圧問題を理解する
ここでは、一般的なロータンク式トイレ(便器の後ろにタンクがあるタイプ)の仕組みと、どの部品が水圧(水の流れの勢い)に関係しているのかを見ていきましょう。まず、水を流すレバー(またはボタン)を操作すると、タンクの底にある「フロートバルブ(ゴムフロートやフロートゴムとも呼ばれる)」が鎖やレバーで引き上げられます。フロートバルブは、普段は排水口を塞いでいるゴム製の栓です。これが開くことで、タンク内に溜まっていた水が一気に便器へと流れ込みます。この「一気に流れ込む水の量と勢い」が、私たちが感じる「水圧」の正体です。タンク内に溜まっている水の量が少ないと、当然流れ込む水の勢いも弱くなります。水が流れ終わると、フロートバルブは自重で元の位置に戻り、再び排水口を塞ぎます。タンク内の水位が下がると、今度は「ボールタップ」と呼ばれる給水装置が作動します。ボールタップには、水面に浮く「浮き球(フロート)」が付いており、水位が下がると浮き球も下がり、それによって給水弁が開いてタンク内に水が供給され始めます。水が供給され、タンク内の水位が上がってくると、浮き球も上昇し、設定された水位(標準水位)に達すると給水弁が閉じて水の供給が止まります。この一連の動作を制御しているのがボールタップです。また、タンク内には「オーバーフロー管」という管が立っています。これは、何らかの原因でボールタップが故障し、水が止まらなくなった場合に、タンクから水が溢れ出るのを防ぎ、余分な水を便器内に逃がすための安全装置です。さて、これらの仕組みを踏まえて水圧が弱い原因を考えると、まず「タンク内の水位が低い」ことが挙げられます。これは、ボールタップの調整不良や故障によって、設定された水位まで水が溜まっていない状態です。次に、「フロートバルブの不具合」も考えられます。フロートバルブが完全に閉まらず、タンクに水が溜まる途中や溜まった後も便器へチョロチョロ水が漏れていると、いざ流す時に十分な水量が確保できません。また、フロートバルブの開き方が不十分だったり、開くタイミングが遅かったりしても、水の勢いは弱くなります。これらの部品のどれか一つでも正常に機能しないと、トイレの水圧(流れの勢い)に影響が出る可能性があるのです。